免疫抗体遺伝子の改変 機構の一部を解明、京大教授ら(京都新聞)

俺は分野外の人間なんだが、興味だけはあるので。

 外敵の侵入から身を守る免疫システムで、抗体を多様に作り替える働きをする「AID」タンパク質は、抗体の遺伝子DNAを直接切断して作り替えるのではなく、別のタンパク質を活性化して切断させている可能性が高いことを、京都大医学研究科の本庶佑教授(分子生物学)とナシム・ベガム助手らのグループが突き止めた。

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これでござんすな。
Begum NA, Kinoshita K, Kakazu N, Muramatsu M, Nagaoka H, Shinkura R, Biniszkiewicz D, Boyer LA, Jaenisch R, Honjo T.
"Uracil DNA Glycosylase Activity Is Dispensable for Immunoglobulin Class Switch"

Science, 2004, August 20, Vol. 305, 1160-1163


記事の最後はこう締められている。

「今後はAIDがDNA切断酵素をつくることの証明を行いたい」としている。


上記の傍証もでている。詳しい内容は下記で熟知すべし


Begum NA, Kinoshita K, Muramatsu M, Nagaoka H, Shinkura R, Honjo T.
"De novo protein synthesis is required for activation-induced cytidine deaminase-dependent DNA cleavage in immunoglobulin class switch recombination."

Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 Aug 31;101(35):13003-7.


少しコメントしておく。AID (Activation-induced cytidine deaminase)はお仲間とされているAPOBEC-1のようにRNA editing活性もあるのでは、と強く示唆しているのが本論文。


抗体の機構について感心するのは、多くの部分を既存のものの改変/転用で済ませているにも関わらず、全体として全く別のものとして構築されていることだ。概略的すぎるが。


生物って、面白。と思う次第。


で、いずれはこういうことを期待していると。
免疫遺伝子機構解明へ一助 将来は異常診断に共同通信


Honjoさんと唯一ネ申は似ていませんかそうですか。